20181024 2800円のラーメン@蔦2018/10/24 23:23:00

月に一度、御所様に御目通りを願い、上京する。 丁度、其日に祐貴君が「自分の今までの中での最高の出来」と云うラーメンを提饗すると伺った。 もう何年前に為るんだろう… 藤沢の「めじろ」を最初に訪ねた日に小生にラーメンを造って呉れたのが、未だティーンの彼だった。 壁には彼が描いた常連客の似顔絵の色紙が沢山貼って有り、1枚だけ色が塗られて居たのは鳥のメジロだったな。 随分とセンスの有る子だと思ったのだが、其れが今や日本の、世界の…って、凄いなぁ、嬉しいねぇ。

4ヶ月振りの初電には未だ「覚えた顔」が、「何時もの場所」に居らして懐かしく思う。 6時半に「蔦」に到着。 「代表者で複数枚は可能」と云うルールなので、5番の整理券を一八さんから頂く。 其足で神田の蕎麦屋さんへ。 此処も早朝に好く伺った物だが、スタッフのオジサンは変わったんだな。 以前のオフィスと同じビルに有るクリニックに痛風(笑)の定期診察へ。 病院を変えるのが嫌で、此処迄遣って来るのだが、以前の同僚に遭うかどうかの「スリル」?も楽しみのひとつだ(笑)。 診察が終わって巣鴨に戻ると、今度は3番目でした。 扨、11時の数分前に暖簾が懸かる。

20181024 2800円のラーメン@蔦
     「A5黒毛和牛と松茸の醤油Soba ~松茸ご飯添え~」

適度に薄くスライスされた高級牛肉に雲丹とキャビアを乗せ、芽葱を飾る。 シンプルにも見えるが「高そう」な印象を不断に感じるね。 先ずはスープの馨りを… おぉ、松茸の風雅さがブンと伝わって来る。 丼を持ち上げてスープを啜るのは、彼の父君の教えを小生が得心して居るからだ。(「めじろ」には蓮華も胡椒も無かった) 穏やか乍、味のインパクトは相当に「来る」。 牛肉のエッセンスや松茸は勿論だが、其れを突出させずに野菜・魚介等多くの旨味成分で構成された様子が知れる。 難しい事は判らないけれど、彼の勉強の成果と多くの経験、研鑽の証が凝縮されて居るのだろう。 「試作の時よりも美味く出来ました」との事だが、此れは美味いなんてレベルでは… 「そんだけの素材を使えば、当然でしょ」との声は有るだろうが、「其れを活かす」以上に、引き出せるだけ抽出した旨味を合わせる力量は如何許りか… 「香り松茸」と良く云うが、沢山の松茸から出汁を摂るってのは、予算や経験が足りないってのが通常の状況だよね。 「製麺も僕が遣りました」と伺ったが、喰感や風味も然る事乍、味わい深い麺と云うイメージで、茹で具合の確かさと相俟って、稀有な組み合わせに為った。 麺に下手に味を付加するとスープとの乖離を招くのは良く聞く話だが、祐貴君に限っては有り得ない。 高級小麦に踊らされずに粉に迄神経が行き届いて居る…は、書き過ぎかな。 でも、そんな感慨が確かに有った。 ローストされた牛肉の美味さには痺れちゃうけど、此れをラーメンに乗せて仕舞ったのが快挙、いや暴挙(笑)なのかも。 更に雲丹、キャビアもクオリティの高い物だ。 小生は雲丹好きで鮨屋の大将が良い物が入ると呼んで呉れる(何時も行ける程余裕は無いが)ので、雲丹には煩い(笑)のだが、此れに文句の有ろう筈が無い。 単に高級素材を積み重ねたと云うのでは無く、計算の結果だと確り判った。 松茸御飯に添えられた酢橘をアドバイスに従って、少々スープに絞る。 粋、なんだね…って、御作法だ。 其の御飯だが、敢えて一口は其儘頂いた後、徐にスープを投じて行く。 後刻に御所様が仰って居らしたが、最早、料理(祐貴君が目指した処なのだろうが)で、料亭の味わい。 やや抑えた上品な松茸テイストは、芳醇なスープと合わせる為だ。 酢橘は少しづつ、味わいの変化を試し乍、にしなくてはね。 松茸と酢橘は組みで使われる事も多いが、其の顕著な学習をさせて貰った。

以前の様に毎週はとても無理だけど、機会を得て、亦来るね。 今回も有難う、佳い一杯を頂きました。

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